喜び

新しいものの誕生 地球上で初めて鮮やかな色が芽生えたとき 夕焼けの薄い色 蜘蛛の巣のように儚い花びらをひらいた睡蓮のように 命が吹き込まれた瞬間 ゆっくりと呼吸をしながら静かに耳を傾ける聞こえてくるすべての音 身体の中へ入り込みミクロの世界から宇宙の音にまで 血液が踊る木の枝のように様々な方向へ向かって広がりつづける  沸き立つような 泡立つような喜びが首筋から頭の中を爽やかで軽やかなシャボンが流れ出す 人は喜びを感じるとステップを踏みジャンプして嬉しい雄たけびを上げる 山々が風が水蒸気が土が野花が歓喜する  もはや喜びは個人の中だけにとどまらない 時々祝福と絡まりながら あらゆるものに与え続ける